甘辛問答無味感想vol.16 | 旅するように和菓子と出逢う(旅わが)

雨にぬれても…

甘辛問答無味感想vol.162023.05.19

甘辛問答無味感想vol.16


5月の母の日が終わると、

次は6月の父の日です。


前回にも書きましたが、


光あふれる爽やかな5月と比べると


父の日の6月は雨が多くて、


じめじめした感じですね。

なぜ、そんな時に父の日があるのでしょうね?







大方、5月が母の日だから、

翌月を父の日にしたらいいんじゃないの?


というような、

お手軽な理由なのだろうと思いつつ、


ネットで調べてみました。


確かに制定された理由はそんな感じでした。


しかし、6月になったのは、


父の日制定のきっかけになっ

た男性(アメリカ人)が


6月生まれだったから、ということのようです。


アメリカには梅雨という季節感はないし、


ヨーロッパならジューンブライド

という言葉もあるし、


欧米では、6月に

特に悪いイメージはないのでしょうね。







一方で日本は世界的に見ても

雨が多い国です。

年間の降雨量は世界平均の2倍にもなるとか。


この雨が多いことが、日本の地形や文化、


そして食生活に影響を与えていることは

間違いないですね。


長雨はうっとうしいけど、


どこの国にも気候的な問題は必ずあるもの。


ならばいっそ楽しんでしまう方が健康的です。


同じく雨の多い国イギリスでは、


おしゃれなレインウェアが

たくさん生まれています。


日本には、なんといっても

雨を表わす言葉がたくさんあります。


五月雨、氷雨、時雨、春雨、緑雨、雨月、

小糠雨、慈雨など。


降り方や季節によって

細かく使い分けられています。







先日亡くなった坂本龍一さんの

ドキュメンタリー映画を観ました。


その中で坂本さんが作曲のために、


雨の音をいろいろサンプリングしている

シーンがありました。


最後はバケツを頭からかぶって、


バケツに当たる雨音を

録音しているところが印象的でした。

テクノポップのクールイメージが

先行しがちですが、


彼の魅力は、このような

日本的情緒にあるのかもしれません。







雨に対する日本的な細やかさは

梅雨時の和菓子にも表れています。


この季節の和菓子の魅力を分類すると、


清涼感、季節素材、

あるいは色彩を楽しむもの

に分かれます。


たとえば、清涼感なら


葛やわらびなどによる

プルプル感やひんやり感、


季節素材なら、

青梅や枇杷を使ったお菓子が人気ですね。


色彩は、紫陽花を思わせる薄紫や水色の

あしらいが見た目にクールですね。







こうして見てくると、


長雨が続くのは、ちょっと嫌だけど、


雨が降るからこそ、田畑がうるおって、


おいしいものがたくさん食べられるわけで、


何ごとにも長所と短所の両面がある、


ということを忘れてはならないですね。







家ではゴロゴロしているお父さんだって、


会社ではきっとバリバリ働いているでしょう。


父の日くらいはねぎらってあげたいです。


でも、今どきは外で

がんばっているからと言って、


家で何もしなくていい、

というわけではありません。


梅雨みたいにきびしい時代ですね、お父さん。

甘辛問答無味感想とは

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