甘辛問答無味感想vol.12 | 日本人だけが知るもちもちの魅力

日本人だけが知るもちもちの魅力

甘辛問答無味感想vol.122023.01.01

甘辛問答無味感想vol.12

今回は、日本人とお餅に関する

ちょっと意外なお話です。






お餅は蒸したモチ米を

搗(つ)いてつくります。


搗きたては軟らかくて、とてもよく伸びます。


時間が経つと硬くなりますが、


焼けば再び、元の軟らかさを取り戻します。


さらに日にちが経って、カチカチになっても、


薄くスライスして、かき餅として楽しめます。






お餅は味が淡泊なので、


甘いものにも辛いものにもよく合います。


洋風、中華風のアレンジもおいしいです。

お餅は食べるだけではありません。

鏡餅としてお供えやお飾りになります。


そして、もち米を脱穀した後の稲わらは


注連縄(しめなわ)になります。


無駄がないですね。


とてもシンプルなのに、


折り紙や風呂敷のように柔軟で


多様性があります。


お正月を一年のゼロスタートと考えるなら、


真っ白いお餅は新年の始まりに


実にふさわしいと思いませんか?






こんな風に、

お餅文化が根付いているせいか、


日本人はもちもちした食感が大好きです。


もちもちやもっちりを売りにした

ヒット商品も多いですね。


しかし、このもちもち感が

世界的に好まれているかというと、


そうでもなさそうです。


例えば、モチモチという感覚に


ジャストフィットする英語が

ないみたいなのです。


ネットで検索すると、

chewyとstickyがよく出てきます。


chewyは

チュ―イングガムにつながる言葉です。


ガムはよく伸びるけど、お餅のような


ふくよかなイメージはありません。


stickyは

粘りつくような感触を表わしますが、


この言葉自体、

あまり好意的なイメージがありません。


欧米で好まれるのは、

フワフワ、サクサク、トロトロ。


軟らかいけど、

口の中で粘るような食感は

お好みではなさそうです。




実際のところ、

お米は世界中で食べられていますが、


もち米が好まれるのは

日本など東アジアに限られています。


自然界では、もち米よりも

いつも食べているうるち米の方が

優性らしいのですが、


どうやら、もち米は東アジアで

人工的に栽培が増やされていったようです。


つまり、私たちは大昔から

もちもちした食感が

好みだったということです。


どうしてなのでしょうね?


理由は分かりませんが、

食の文化においては、


味だけでなく食感もかなり

重要なんだということが分かります。


ご飯もおいしいけど、

お餅のもっちりした食感は格別です。


どこまで伸びるのかを楽しんだり、


意外な食材との組合せを試してみたり、


お餅はエンタメ性も抜群な気がします。


外国の方々も、ゆったりした気持ちで、


お餅の食感を楽しんでくれたら、


もちもちの魅力に気づくと思うのですが。

甘辛問答無味感想とは