甘辛問答無味感想vol.11 | クリスマスケーキって、もしかして…

クリスマスケーキって、もしかして…

甘辛問答無味感想 vol.112022.12.06

甘辛問答無味感想 vol.11

12月になったので、 今回は

クリスマスケーキについてのお話です。


え、和菓子と関係ないやん、

と思われるかもしれませんが、


いやいや、実は、関係あるのではないか

というお話なのです。


 クリスマスソング、そうですね、


ジョン・レノンでも、

ユーミンでも、マライアでも


お好みのものを聴きながらお読みください。





クリスマスケーキというと思い浮かぶのは、

口どけのいいスポンジケーキに、

生クリームと真っ赤なイチゴ、


そしてサンタやもみの木などが飾られている、


いわゆるデコレーションケーキですよね。


しかし、昔から

不思議に思っていたことがあります。


それは、外国映画に出てくる

クリスマスのシーンに、


そのようなデコレーションケーキを

見かけたことがないからです。


お誕生日や結婚式のシーンでは見かけるのに、


クリスマスのシーンでは記憶がありません。


ということは、もしかして、


このタイプのクリスマスケーキって、

日本だけのものなの?






にわかに湧き上がる疑問を解消するために、

早速調べてみました。


まず、わかったことは、


クリスマスに食べるお菓子は

国ごとに違うということでした。


フランスはブッシュ・ド・ノエル、

ドイツはシュトレン、


イタリアはパネトーネになります。


そのどれもが、

日本のクリスマスケーキのように

ファンシーなものではなく、


どちらかというとパンみたいな、

素朴で伝統的な形をしています。


実際、日本でも、

パン屋さんで見かけることが多いです。


では、日本でおなじみのクリスマスケーキ、

あれは一体なんなのでしょう?





実は、老舗の洋菓子店の不二家が、

大正時代に売り出したケーキが

原型なのだそうです。


やっぱりそうなのか。


そう言われてみると、

白いクリームとに赤いイチゴなんていう、


紅白の取り合わせは

日本的なお祝い感覚ですよね。


スポンジケーキの、とろけるような食感や


手の込んだデコレーションにも、


どこか和菓子に通じる

職人的こだわりが感じられます。


クリスマスケーキは和菓子だ、

と強弁する気は毛頭ありませんが、


日本独自のお菓子のひとつとして

考えてもいいのでは、と思っています。





ところで、クリスマスというと

キリストの誕生を祝う行事のように

思われていますが、


歴史をたどると、ヨーロッパの伝統的な

冬至のお祭りが源流らしいのです。


冬至は太陽が一番弱い日、


逆に言えば、

その日を境に太陽が復活するという

自然の摂理が、


キリストの復活に

関連付けられたという訳です。


クリスマスは、単におめでたいだけではなく、


このように歴史的な意味があったのですね。


一方で、そのような伝統と

関係ない日本のクリスマスは、


楽しく盛り上がることがメインなので、


ケーキがどんどん華やかで、

かわいいものになっていったのでしょう。


日本は日本で、柚子風呂とかカボチャとか、

冬至を祝う行事がありますしね。





さて、12月25日が過ぎれば、

世の中は一気にお正月モードに切り替わり、

あんなに楽しかったクリスマスは

跡形もなく、消えてしまいます。


でも、お正月になればなったで、

楽しいこと、美味しいものがいっぱいです。


その件については、また次回にお話しましょう。


Happy Cristmas and Happy New Year!

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