茨城県鹿嶋市で200年の歴史を刻んできた
老舗和菓子屋「丸三老舗」。
その歴史を守る若旦那の笹沼さんは今、
日本の枠を超えて、
和菓子の“新しいカタチ”をつくろうとしている。

一見、「モダンなパッケージに包まれた板チョコ?」
と思ってしまうが、
その正体は、熟練の職人技が詰まった
「小豆×カカオの干しようかん」というから驚き。

表面を乾燥させる「干し」の工程から生み出される、
シャリッとした心地よい食感。
そこから現れるのは、濃厚なカカオの風味と
小豆の優しい甘みが溶け合う新しい味わい。
なぜ歴史ある老舗が
この組み合わせを選択したのか。
そこには、
和菓子の未来を見据えた、まっすぐな想いがあった。
「世界で楽しんでもらうため」の
逆算から生まれたカタチ
「和菓子の文化を世界のマーケットに
接続できるようアップデートさせ、
価値を上げていきたい。
海外で価値が高まれば
日本国内のマーケットにも良い影響がある」
と笹沼さんは話す。

海外の方々に和菓子を届けるためには、
まず「日持ち」が欠かせない条件。
長い輸送時間を耐え、美味しさを保てるもの。
それを叶えられる和菓子が、
保存性に優れた「羊羹」だった。
生のままだと扱いが難しいため、
表面を乾燥(結晶化)させる「干し」の工程を採用。
これにより、
持ち運びやすさと独特の食感が生み出され
「タブレット羊羹」と名付けられた。
さらに、形にもこだわりが。
フランスなどの欧州市場では、
未知の食べ物に対して保守的な傾向があるという。
中身が見えない従来の羊羹では
手に取ってもらえないだろうと、
馴染みのある「チョコレート」の形状に寄せたのだ。
見た目はチョコ、
でも食べると和菓子の奥深さが広がる。
そんな驚きが、
認知の壁を乗り越える一歩になると考えたという。

「家業」を「持続可能なビジネス」へ
「和菓子に接点がなかった人たちも
業界に巻き込み、外から力を借りながら、
和菓子をアップデートさせていく。」
これまでの和菓子作りは、
どうしてもそのお店の中だけで完結しがち…
と危機感を持った笹沼さんは、
新しい風を積極的に取り入れている。
サラリーマン時代の経験を生かし、
自らが各方面にアンテナを張り、
スタートアップや異業種の方と積極的に
連携しているという。
「外から見た違和感」を大切にし、
伝統の技に新しい感性が加わることで、
今までにないワクワクするような
和菓子が生まれているのだ。
丸三老舗が「タブレット羊羹」を生み出した理由。
それは、200年以上続く和菓子の魅力を、
次の100年、200年先の人たちにも
伝えていきたいという、
まっすぐな情熱の表れだった。

次回、6/8(月)更新のepisode.2では、
「タブレット羊羹」の開発秘話をご紹介。
お楽しみに!
