関の戸
寛永年間に創業した深川屋。伊賀忍者の末裔と伝わる初代が考案したという逸話も残る、380年以上続く東海道関宿の名物菓子。
派手さはないけれど、何十年、何百年と変わらず愛されてきた和菓子たち。一口食べれば、ふと懐かしい時代の情景が浮かびます。「旅わが」が選んだ、時代を超えて愛される和菓子たちをご紹介。
数ある逸話の中でも、由来と年代がはっきりと確認できた5つの銘菓を、時代順にたどります。残る6品は、この先の「すべての和菓子」でじっくりご紹介します。
寛永年間に創業した深川屋。伊賀忍者の末裔と伝わる初代が考案したという逸話も残る、380年以上続く東海道関宿の名物菓子。
文政2年創業、東京・西日暮里の老舗。きめ細やかな口あたりが絹織物「羽二重」のようだと評判に。夏目漱石の作品にも登場した、文豪も愛した味。
明治3年創業、北海道江差町の老舗「五勝手屋本舗」の丸缶羊羹。創業当時は四角いものだったが、今では「丸缶羊羹」が有名に。レトロな赤いパッケージが特徴で、金時豆を使った羊羹はやさしい甘み。
明治維新後に初代重太郎が帯刀を捨て和菓子屋を創業し、3代目の頃、昭和天皇陛下献上のお茶菓子として野根まんは有名になったそう。
千利休が最後に一つだけ残した茶碗の色が柿の色に似ていることで木守と名づけられたという。干柿羊羹と麩焼き煎餅の優雅な干菓子。
愛知県半田市、松華堂菓子舗の看板菓子。昔はどの家庭にも松かげの入った大きな缶があったというほど、半田に暮らす人々に浸透している。
江戸末期創業の老舗「五家宝 たねに」。すべて自家製で五家宝だけをつくっているという希少な和菓子屋。素材と自然の色を生かし、添加物は一切入っていない。古くから伝わる素朴で懐かしい味わい。
明治初期創業の林盛堂本店。石臼で丁寧に挽いた小豆粉を使う、しっとりやわらかな干菓子。自家製石挽きした小豆粉を使った「すはま」で、今はない「ひし」という駄菓子を、古老の味覚を頼りに再現。
昭和51年創業、青森県弘前市の菓子処 寿々炉。大納言小豆を使い、金つば仕立てに焼き上げたあんこ菓子。2日かけてできたあんこを、職人が木枠で整え、1枚に切り分け、鉄板で焼き上げている。
天保9年創業、富山・高岡の老舗「とこなつ本舗 大野屋」。越中ゆかりの万葉歌人・大伴家持の名前にちなんだ銘菓。富山県産もち米や黒大豆、黒糖蜜を用いたきな粉餅で、パッケージには家持が詠んだ万葉歌の情景が描かれている。
発祥は諸説あるものの、昭和には「子どもの憧れのお菓子」だったとも。カステラで羊羹を挟んだ独特の佇まいを、松江の老舗・風流堂が上品に仕立てている。